テレワークによる働き方改革
今回は、働き方改革として、また、新型コロナウイルス対策としても注目されるテレワークの現状とその動向についてお伝えします。
テレワーク制度の背景
(1) 東京オリンピック・パラリンピック(以下、「五輪」という)で予想される交通混雑の緩和に役立つとして、政府や東京都が普及を進めています。
(2) 社員の多様な働き方に対するニーズ(通勤時間の減少、集中度向上、家事・育児・介護との両立等)を受け、働き方改革関連法が2019年4月に施行されました。
(3) 台風等による交通運休時でも業務を継続できる手段として評価されています。
導入状況と効果
㈱リクルート住まいカンパニーによる「テレワーク×住まいの意識・実態」調査によると、会社員・公務員(実サンプル数16,213)のテレワーク実施率は17%で、初期費用等の問題で規模が大きい企業ほど導入率が高い傾向があり、1,000人以上の企業では24%となっています。また、実施者の70%がテレワークを機に資料・収納スペース等の自宅環境を整備しており、今後テレワークが促進された場合には、テレワーカーの57%が現在より「通勤時間が長くなっても引越しを検討する」との意向を示しています。
2016年からテレワークを取り入れ「テレワーク先駆者百選」として総務大臣賞を受賞したシックス・アパート㈱(千代田区)によると、オフィスをフリーアドレスの10席のみとして3分の1サイズに縮小し、削減できた経費で全社員にテレワーク手当を支給し、社員が自宅のPC環境や通信環境を整えたり、コワーキングスペースを契約したりしているそうです。
施策
東京都は五輪前に導入率35%を目指し、都内の社員1,000人未満の中堅・中小企業を対象に「はじめてテレワーク」(最大40~110万・補助率100%、2020年2月末受付終了)、「テレワーク活用推進コース」(最大250万円・助成率50%、2020年3月末日迄受付)の助成金支援事業を行ってきました。
さらに、感染症拡大防止対策として、「事業継続緊急対策(テレワーク)助成金」(最大250万円・助成率100%)が都議会で3月5日に可決され、募集が開始されました。このほか、厚生労働省も中小企業向けテレワーク助成を追加募集しています。
まとめ
自然災害、働き方改革、東京五輪開催、感染症対策、助成金等種々の要因がテレワークを推進させ、これからテレワークを導入したい企業にとってチャンスといえます。働き方の変化が従来のオフィスや住宅の使用方法を変え、不動産の需要や利用形態も変化するため、弊社でも不動産鑑定評価の立場からその動向を注視して参ります。
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