新型コロナウイルスの貸しビル業への影響
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、飲食店等は極めて厳しい経営環境にあります。このため、飲食店等のテナントから、入居するビルのオーナーに対し、賃料の減免や支払いの猶予を求める声が上がりました。
今回は、4月末日現在国土交通省が発表しているテナント保護の要請及びオーナーに対する支援策等の一部をお伝えします。
国土交通省によるテナント保護の要請
厳しい経営環境下にあるテナントからの賃料減額や支払い猶予を求める声を受け、3月末に国土交通省は、オーナーに対し、賃料の減免や賃料支払いの猶予等柔軟な措置の実施を検討するよう要請しました。
(国土交通省HP 柔軟な措置の検討について)
オーナーに対する支援策
テナント保護の要請を容易に受け入れられないオーナーもいます。仮に賃料の減免等を行った場合、見込んでいた家賃収入が得られなくなります。体力(資金力)に余裕があるオーナーを除けば、金融機関に対する借入金の返済が滞り、賃貸事業の継続が危ぶまれるオーナーも出てきてしまいます。
このため、4月初旬に国土交通省は、賃料の減免等を実施したオーナーに対する支援策を公表しました。
( 国土交通省HP 新型コロナウィルス感染症対策について )主な支援策としては「減免したテナントの賃料は損金として計上が可能であること」、「固定資産税が減免されること(関係法令が成立した後に実施予定)」があります。
ただし、これらの支援策を受けるためには、一定の要件を満たすことが必要となります。このため、支援策を具体的に検討される場合には、税理士等の専門家に御相談されることをお勧めします。
長期的視点の必要性
そもそもテナントとオーナーは共存共栄の関係にあります。今後、新型コロナウイルスとの長期戦を鑑みれば、テナント又はオーナーの一方に負担を強いて、結果として信頼関係に基づく賃貸借関係の破綻を招く施策は得策ではありません。
国や自治体にとっては、困難な舵取りにはなりますが、迅速に、長期的視点から様々な施策を策定し、実施することを期待します。
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