令和2年分 確定申告 新設された雑所得の「業務」区分
国税庁から令和2年分所得税確定申告書の書式が発表されました。例年と比べ変わった点は、雑所得の区分に「業務」という欄が作られたことです。
今回は令和2年分所得税確定申告より新設された「業務」についてご紹介します。
雑所得の新しい区分「業務」とは
所得は給与所得、事業所得、不動産所得、一時所得など全部で10種類に分類され、他の所得に該当しない所得を雑所得といいます。
今まで所得税確定申告において、雑所得は公的年金等の雑所得、その他の雑所得しか区分がなく、 営利を目的とした継続的な副業や兼業(事業所得に含まれるものを除く)においての収入の申告区分は特にありませんでした。
そこで新しく「業務」という区分が新設されました。
背景と変化
未だ多くはないですが、副業や兼業を認める企業も増えつつあり、シェアリングエコノミー等の新分野の経済活動も広がりを見せています。個人の所得の種類が多様化する昨今、曖昧であった雑所得に対し、より適正な課税の確保や、その環境づくりを図るため法改正が行われたと考えられます。
実際に雑所得の業務区分の申告方法が変わるのは令和4年分確定申告からですが、前々年の業務区分の収入金額が基準となるため、 今回の令和2年分申告より雑所得の区分が変更されることになります。
前々年の収入 | 改正前 | 改正後 |
---|---|---|
300 万円以下 | ・発生主義で所得計算 ・雑所得を対象とした明確な保存書類の規定なし |
・現金主義で所得計算ОK |
300 万円超 | ・領収書等の書類保存が義務化 | |
1,000 万円超 | ・領収書等の書類保存が義務化 ・収入と必要経費を記載した書類添付の義務化 |
300万円以下の方以外は従来通り発生主義での所得計算となります。副業や兼業を雑所得で申告している方、 これから申告を考えている方には影響のある法改正です。
おわりに
前々年の雑所得の業務区分の収入が300万円以下の方にとっては、所得計算が容易で確定申告をしやすくなる半面、 300万円超の方にとっては明確なルールが定められ、この法改正により個人の雑所得について、より適正な申告を求められていることは確かです。
雑所得か他の所得か慎重な判断を要する可能性もあります。
副業、兼業で確定申告をお考えの方は是非幣税理士法人にご相談ください。
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