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令和3年度・固定資産評価額の上昇

投稿日2021.06.08

固定資産税は、固定資産の「適正な時価」をもとに課税され、3年ごとに評価額を見直す制度がとられています。令和3年度は評価替えの年度(基準年度)にあたり、評価額が見直されました。今回は、コロナ禍にもかかわらず上昇している都内商業地の評価替え状況をお伝えします。

路線価の変動状況

令和2年1月~6月分 市街地の土地評価額は、いわゆる路線価方式とも呼ばれ、街路ごとに付設された「固定資産税路線価」に基づき算定するもので、地価公示価格及び標準的宅地の鑑定評価等を基礎としているため、その変動は地価公示価格の変動率と類似しています。

今年度の評価替え基準日は「コロナ禍前の」令和2年1月1日とされ、前基準日の平成29年1月1日から30~40%上昇している路線も多く、地域によっては100%上昇(約2倍)となっている路線もあります。

【参考】地価公示・商業地の3年間変動率(H29.1.1~R2.1.1) 
※各年平均変動率より算定
千代田区 中央区 港区 渋谷区 新宿区 台東区
23.60% 27.80% 27.80% 29.60% 23.60% 36.80%

令和3年度修正率

基準日から地価が下落した場合には、令和2年7月1日までの地価動向を踏まえ、路線ごとに決定された「令和3年度修正率」により、各画地の評価額を下落修正します。なお、「令和4年度修正率」は、基準日から令和3年7月1日までの地価動向を踏まえて決定されます。

令和3年度修正率(R2.1.1~R2.7.1)各路線平均 
※高度商業地区・繁華街・ビル街・普通商業地区
千代田区 中央区 港区 渋谷区 新宿区 台東区
0.972(-2.8%) 0.972(-2.8%) 0.985(-1.5%) 0.972(-2.8%) 0.960(-4.0%) 0.958(-4.2%)
【参考】地価公示・商業地のコロナ禍における年間平均変動率(R2.1.1~R3.1.1)
千代田区 中央区 港区 渋谷区 新宿区 台東区
-2.90% -3.90% -1.10% -2.90% -3.10% -4.00%

土地評価額と賃料

路線価の上昇に対して下落修正率が小幅のため、土地評価額は上昇しています。
今年度は、コロナ禍を踏まえて課税標準額(税額)の据え置き措置がとられていますが、今後の推移次第では来年度以降の税額が上昇する可能性もあります。

3年前に都内商業地を中心に路線価が急上昇して以降、固定資産税額等が上昇してきた一方で、多くの業種で厳しい経済環境にあり、地価と賃料とのバランスが崩れています。
弊社で行う都内店舗・事務所の賃料改定時(継続賃料)の評価においても、借り手と貸し手との思惑が乖離した難しい局面にあると感じています。 (東京都23区の固定資産税路線価図

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