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副業等の年収300万円以下は雑所得へ

投稿日2022.09.28

国税庁は令和4年8月1日に所得税基本通達の改正案を公表し、8月31日まで意見公募(パブリックコメント)を行いました。この改正案では、副業やシェアリングエコノミー等に係る所得を念頭に雑所得の範囲の明確化が図られています。

今回は、所得税基本通達の改正案についてお伝えします。

雑所得の明確化

(1) その他雑所得の範囲

その他雑所得には、「譲渡所得の基因とならない資産の譲渡から生ずる所得」が追加されました。例えば、暗号資産取引による所得が該当します。

(2) 業務に係る雑所得の範囲

業務に係る雑所得には、「営利を目的として継続的に行う資産の譲渡から生ずる所得」が含まれることが明確になりました。例えば、デジタルコンテンツの販売による所得が該当します。

さらに、「事業所得」と「業務に係る雑所得」の判定基準も明確化され、その収入金額が主たる所得でなく、かつ300万円以下の場合には特に反証がない限り雑所得に該当することになります。

ただし、収入金額が300万円超であれば自動的に事業所得に該当するわけではありません。その収入が事業と称する程度で行っているかどうかにより判定されます。

雑所得となった場合の主な影響

事業所得から雑所得になった場合、税負担の影響は以下の通りとなります。

雑所得事業所得(青色申告)
(1)青色申告特別控除適用なし10万円又は、
55万円もしくは65万円
(2)損失時の損益通算雑所得のみ相殺可給与等の他の所得と相殺可
(3)損失時の3年間繰越控除適用なし3年間繰越可
(4)少額減価償却資産の特例適用なし30万円未満は損金計上

適用時期

令和4年分の確定申告から適用される予定です。

今回の改正は、令和4年分から遡及されます。今まで事業所得で申告されている人は、自分の所得区分の確認と所得税額の影響を確認してみてはいかがでしょうか。

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