電子取引のデータ保存制度の見直し
既報 YF-00988でお伝えした通り、令和5年税制改正大綱が公表されました。 今回はその中でも電子帳簿保存法に関わる緩和措置に関してお伝えいたします。
電子取引のデータ保存制度について
電子帳簿保存法の改正により、令和4年1月1日以降電子取引で授受した請求書や領収書において、紙での保存は認められず、データでの保存が義務化されました。
しかし、データ保存においていくつかの要件が求められ、社内の業務フローの見直しやシステムの変更等対応が間に合わない事業者も多くあったことから、令和4年税制改正では2年間の宥恕(ゆうじょ)措置が認められ、令和5年12月31日までは書面での保存も可能となりました。
いよいよ今年で宥恕期間が終了しますが、令和5年税制改正大綱では電子取引におけるデータ保存の保存要件について見直しが行われました。
検索要件の見直し
データ保存の要件の中でも検索機能の確保は最も検討が必要とされてきました。現行の電子帳簿保存法では売上1,000万円以下の事業者においては、検索機能の全てが不要とされていましたが、今回売上5,000万円以下の事業者へと条件が引き下げられました。
また、売上5,000万超の事業者においても、取引年月日、その他の日付及び取引先ごとに整理された電子データの出力書面の提出に応じることができれば検索要件が不要となります。
新たな猶予措置
現在は宥恕期間となっておりますが、今回の税制改正大綱にもはっきりと令和5年12月31日に宥恕措置は廃止するとも明記されています。その代わり令和6年1月1日以降も以下の全ての条件を満たす場合は電子取引のデータ保存の義務化が猶予されます。
条件1 : 所轄税務署長が保存要件に従って保存することができない相当の理由があると認める。
条件2 : 税務調査の際にダウンロードの求めに応じる。
条件3 : 税務調査の際に整然とした形式及び明瞭な状態で出力された書面の提示または提出の求めに応じる。
ただし条件1の“相当の理由”についてはまだ発表されておりませんので、今後の情報にもご留意ください。
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