個人形態か会社形態(株式会社)か
事業を始めるのに必ず会社が必要というわけではありません。実際、個人として事業を行い、確定申告をしている方も大勢いらっしゃいます。そこで事業を興すことが決まったらまず事業形態を選択する必要があります。
具体的には、まず個人事業とするか、会社形態とするかを選択することになります。
個人事業と会社形態の一般的なメリット、デメリットは以下のとおりです。
項目 | 個人事業 | 会社形態 |
対外的信用力 | 弱 | 個人よりは強 |
資金調達力 | 弱 | 個人よりは強 |
人材確保 | 弱 | 個人よりは強 |
責任リスク | 無限 | 基本的に有限(個人保証をしている場合は無限) |
運営上の負担 | 軽 | 重 |
事業開始手続き | 容易 | 煩雑 |
設立資金 | 特になし | 資本金+設立費用 |
登記手続 | 不要 | 定期的に必要 |
記帳 | 簡易な方法も可 | 慣れるまで時間要 |
より具体的に税金面から比較してみます。
項 目 | 内 容 | 個人事業 | 会社形態 |
(青色申告) | |||
所得 | 本業 | 所得の種類毎に計算 | トータルで計算 |
本業以外(配当・不動産等) | 同上 | ||
経費 | 経営者への給与 | 経営者への給与はなし | 経営者への給与支給可 |
(親族分は要届出) | |||
交際費 | 全額経費 | 一部が損金にならない | |
家賃 | 事業用部分のみ経費 | 同左 | |
支払保険料 | 保険料控除 | 全額損金になる場合もあり | |
社会保険料 | 所得控除 | 個人と法人で半分ずつ負担し、法人負担分は全額損金 | |
減価償却 | 強制 | 任意 | |
損失 | 損失の繰越 | 3年 | |
税率 | 所得税率と法人税率 | 所得に応じて増減(5.105%~45.945%)復興税(所得税の2.1%)を含む。 | 基本税率23.4%(軽減税率15%) |
消費税 | 納税義務 | 最初1年目は納税不要(選択可) | 資本金1000万円以上の会社は設立直後から納税義務あり。ただし1000万円未満であっても一定の場合は納税義務あり。 |
2年目は特定期間の売上等により判定 |
※出資者の資本金等が5億円以上の法人等で、出資割合が100%の場合を除く。
上記のように両者にはそれぞれメリット、デメリットがありますので、一概にどちらが有利と結論づけることはできませんが、社会的信用力を得て事業を展開し、一層の飛躍を図るには会社形態の方が有利です。
なお、会社法の下では、会社は株式会社、合名会社、合資会社、合同会社の4種類に分かれます。
4種類の主な異動点は以下の通りです。
株式会社 | 持分会社 | |||
合名会社 | 合資会社 | 合同会社 | ||
出資者の責任と人数 | 有限責任1名以上 | 無限責任社員1名以上 | 有限責任社員、無限責任社員それぞれ1名以上 | 有限責任社員1名以上 |
出資財産 | 金銭その他(1円でも可) | 金銭、労務、信用その他(1円でも可) | 有限責任社員は金銭その他、無限責任社員は労務、信用でも可(1円でも可) | 金銭その他(1円でも可) |
代表者 | 代表取締役 | 原則として各社員 | 原則として各社員 | 原則として各社員 |
定款認証 | 必要 | 不要 | 不要 | 不要 |
以下、株式会社を中心に解説していきます。
税負担面でどちらが有利かを知りたい場合には、具体的に以下の点をお知らせください。おおよその判断をさせていただきます。
・予想(または現在の)売上
・予想(または現在の)経費
・法人化する場合の予定資本金
・法人化する場合の代表者給与
・配偶者控除適用の有無、扶養家族の人数
・社会保険料の額
・業種
・事業以外の収入の有無
・資金調達方法
[平成29年12月15日現在法令等]
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