新年早々想うこと
地価は依然として下落し続けている。その下落率は縮小したとは言うものの、都内の商業地は5%から10%は下落しているのではないだろうか。そうだとすると、土地を担保とした不良債権はその分だけ増加することになる。
そこで今週のFAX NEWSは、地価の下落と不良債権についてです。
- 昨年の暮、金沢の石川銀行が倒産したが、その原因は不良債権の増加によるとのこと。もともと倒産の原因には複雑な要因が重なり合っているのだろうが、下落し続けている地価の影響も大きな要因ではないだろうか。
ところで、「金融ビジネス」2001年9月号によると、大手銀行9行の不良債権は18兆円(15行では20兆円)であり、これに対する業務純益は3兆円であるという。
そこでこの不良債権の全額が回収不能と解し、間接償却(貸倒引当金)がなされていないこととすれば、不良債権の完全償却には、毎年の業務純益の全額を投入したとしても6年を要することになる。そんなことを考えると不良債権の償却には、是が非でも地価の下落をくいとめることがより重要となる。 - ところで地価は生き物であり、人間の働きかけによってどの様にも変化する。特に昨今の様に都心への回帰現象が生ずると、郊外の地価は急落を余儀なくする。
そんなことから地価の下落をくい止めるには、土地を持つことが他の財を持つことよりも有利であるという実感が感知出来る制度が必要となる。
バブル崩壊後の世界の潮流は、グローバル化によって不動産にとっても所有から利用へと転換したとされているが、そうではなく、所有して利用することの有利性を実証する必要があるのではないか。
今、税制においても小規模住宅用地として200平米以下の固定資産税等の課税標準は非住宅用地の1/6とされ、相続税においても240平米以下の特定居住用宅地等は、その80%が評価減とされているが、そんな姑息な手段ではなく、固定資産税等も相続税もこの程度の住宅用地には、取得や保有時への課税は一切行わないとした税制の仕組みによって、誰もが安住の地に生きる喜びを持ち、地域に奉仕するという日本古来のふるさと文化に酔える様な住宅政策こそが、地価下落を食い止める手段ではないだろうか。 - 憲法25条にいう「すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」とした健康で文化的な生活目標値をこの辺に置いた恒常的な住宅政策こそ急務であると思うがどうだろうか。それは今の日本の住宅政策が、その時その時の景気浮揚策の一助に位置づけられている様に思うからである。
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(文責-横須賀 博)
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