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老齢厚生年金の改正等

投稿日2002.03.08

~65才から70才の方へ~

来る4月1日より、老齢年金制度の改正が実施され、厚生年金保険の加入年齢が延長されることになります。
このために、本年4月2日以降65歳以上になる在職者については、70才に達するまで保険料の納付義務が生じるとともに、給与の金額次第では、年金支給額が減額されることにもなります。
今週のFAXNEWSは、この年金改正の話題などについてです。

1.老齢厚生年金改正のポイント
(1)65歳以上70歳未満の在職者にも保険料負担義務が
被保険者資格の喪失年齢が70歳に引き上げられ、在職者は70歳に達するまで保険料を負担することになります。
また、いったん、被保険者資格を65才で喪失し保険料を今現在負担していない在職者でも、昭和7年4月3日以降生まれの方には、保険料負担が復活することになります。

(2)65歳以上70歳未満の在職者の受取年金も減額又は全額支給停止対象に
下記事例の老齢厚生年金(報酬比例部分)=(A)と給料(標準報酬月額)=(B)を合わせて37万を超えることとなる在職者は、37万円を超える部分の半額を年金より減額され、下記のとおりの支給合計額となります。
算式:減額される年金額(C)=((A)+(B)-37万円)÷2
減額後の老齢厚生年金の額(D)=(A)-(C)

<事 例>

本来の老齢厚生年金月額
(報酬比例部分)
在職している場合の給与と年金の支給合計額
給   料
(標準報酬月額)
減額される年金額減額後の年金額給与・年金支給合計額
(A)(B)(C)(D)(B+D)
100,000200,0000100,000300,000
200,000360,00095,000105,000465,000
300,000500,000215,00085,000585,000
300,000620,000275,00025,000645,000

※上記表はYF-00239による訂正後の金額になっています。

2.社長が報酬を辞退又は大幅に減額するとき
リストラ策の一環として、年金受給資格年齢に達した社長が、率先して報酬を辞退したり、大幅に減額したりする実例が増えているようです。
このような場合、「取締役会議事録」を添付して月額変更届を提出すると厚生年金・健康保険の保険料が減額されます。
また、報酬を完全に辞退して0にすると脱退者扱いとなるので、健康保険については任意継続を選択する方法も考えられますが、従来の会社負担分が個人負担となり、負担が倍増するようなケースも出てきます。
したがって、月額10万円程度までの報酬は支払った方が、賢明な場合もあります。

小泉首相の言う「三方一両損」の一方の損が、いよいよ庶民の肩に重くのし掛かってくるような気がします。
詳しくは当事務所まで。

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(文責-横須賀 博)

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