定期借家制度について
最近、事務所や店舗の賃貸借で定期借家契約が締結されているケースがよく見受けられます。定期借家制度が平成12年3月1日に導入されて以来8年以上経過し、同制度が不動産市場にだいぶ浸透してきたように思われます。そこで、今回のFAX NEWSは「定期借家制度」についてご説明します。
【定期借家制度とは】
定期借家制度とは、当事者間の契約で定めた期間の満了により、新たに契約が更新されることなく確定的に賃貸借契約が終了する契約制度をいいます。もちろん、貸主と借主の意向が一致すれば、再契約も可能です。従来の普通賃貸借契約では、正当な理由(貸主が当該建物を自己使用する等の理由)なく貸主から更新の拒絶ができず、自動的に契約が更新される点が大きく異なるところです。なお、同制度の内容についてはYF-00168を参照下さい。
【貸主にとっては】
・貸主が建物の建て替えを予定している場合には、借主のスムーズな立ち退きが期待できるため、借主への多額な立退料の支払いの可能性を排除できます。
・不動産賃貸市場において賃料水準が上昇傾向にある場合には、契約満了時における従前賃料より高い賃料で新規に契約ができるため、賃料値上げ交渉の労力も排除できます。逆に、賃料水準が下落傾向にある場合には、契約満了時における市場賃料が参考にされるため、従前よりも低い賃料で契約されるリスクがあります。
【借主にとっては】
・普通借家契約において契約更新時に慣習的に支払うことが多い更新料も、定期借家契約では再契約をすれば不要となり、借主の費用負担が軽減される可能性もあります。
【むすび】
従来の普通賃貸借契約制度と定期借家制度は併存しますので、契約時に貸主及び借主の意思により選択することは可能です。いずれの契約を選択するのが自らにとって有利か熟慮することが重要かと思われます。
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