教育資金の一括贈与非課税措置の見直し
昨年12月に発表された2019年度税制改正大綱には、多くの方に関心があると思われる教育資金一括贈与の特例の改正も折り込まれております。
今回は、その改正の背景及び内容についてお伝えします。
1.改正の背景
教育資金一括贈与は、若年層へ財産を移転することで、教育資金の確保に苦心する子育て世代を支援し、経済活性化に寄与する目的で2013年に導入されました(YF-00635)。
しかし、子や孫の人数だけ1,500万円ずつ非課税で財産を移転でき、また教育を受け終わった社会人でも贈与を受けられてしまうことなどから、世代を超えた格差の固定化につながるとの懸念が指摘されていました。今回の改正はその懸念に対応したものになります。
2.改正内容
2019年度の税制改正で、この制度を2019年4月1日から2021年3月31日まで2年延長した上で、大きく分けて下記4点の見直しが図られました。
改正前 | 改正後 | |
---|---|---|
受贈者側(もらった人)の所得制限 | 制限なし | 前年の合計所得1,000万円以下 |
贈与資金の使途 | A 学校などに支払われる入学金等 B 学校等以外の者に支払われる金銭のうち一定のもの(例:習い事) |
23歳以上はBに関して使用不可 |
贈与者が贈与後3年以内に死亡した場合 | 制限なし | 下記すべてを満たす場合は、贈与財産は相続税の課税対象 (1)受贈者が23歳以上 (2)学校などに在学していない (3)教育訓練も受講してない |
契約終了事由 | 受贈者が (1)30歳に達した場合 (2)死亡した場合 (3)教育資金を全額使い切る場合 |
受贈者が (1)30歳に達した場合 (但し、30歳になった時に学校等に在学中の場合は、40歳まで延長可能) (2)死亡した場合 (3)教育資金を全額使い切る場合 |
3.むすび
今回の改正により非課税の範囲が制限されます。改正後の制限により非課税措置の適用を受けられなくなると見込まれる方は、本年3月31日までに教育資金の一括贈与をすることをおすすめします。
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(文責-久保田一成・林達郎)
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