すまい給付金の活用について

投稿日2019.10.18

令和元年10月1日に消費税が10%になりました。消費増税は不動産需要に影響を与えることから、国は消費の冷え込みを緩和するため「すまい給付金」等の支援策を講じています。しかし、「住宅ローン減税」等の支援策と比較して「すまい給付金」の認知度は残念ながら低いようです。

そこで今回は、「すまい給付金」についてお知らせいたします。

すまい給付金とは

すまい給付金とは、新築・中古住宅の取得者の収入額に応じて最大50万の給付を行う制度です。

この制度は、住宅ローン減税により負担軽減効果が十分に及ばない(収入が低めの)取得層に対して、消費税引上げによる負担軽減を図ることを目的としています。また、良質な住宅ストックの形成を促すことも目的としているため、住宅要件(登記簿床面積50㎡以上、一定の品質が確保された住宅等)を満たす必要があります(詳細は国土交通省のサイトをご確認ください)。

(すまい給付金の負担軽減イメージ)
一般的な住宅を前提・・建物床面積28坪、建築費坪60万(土地は非課税)  
建築費総額は1,680万であり、消費税8%時の消費税は約134万、10%時は約168万となります。
すまい給付金は、 消費税8%時は最大30万の給付でしたが10%時は最大50万と20万増額されており、増税による差額約34万(168万-134万)の負担増を緩和していることになります。

むすび

上記の通り、すまい給付金を受けるためには、対象となる不動産が一定の要件を満たす必要があります。

(要件を満たす住宅)
(1)住宅瑕疵担保責任保険への加入住宅
(2)建設住宅性能表示を利用した住宅、
(3)(1)と同等の検査が実施された住宅

すまい給付金の認知度が低い理由は、売主となる不動産会社にとっては(1)~(3)のいずれかの要件を満たすために一定の経費が生じることから市場に供給される住宅すべてがその要件を満たしている訳ではないこと、仲介する不動産会社も要件を満たす住宅のみを紹介することは難しいこと等があげられます。

そのため、住宅取得者は、増税負担を軽くするため不動産会社にすべてを委ねるのではなく、 自らその制度を認識するとともに「すまい給付」が活用できる不動産か否か積極的に確認する行動が必要なのかもしれません。

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