アパート・マンションに係る消費税控除の見直し
既報(横須賀G通信(YF-00877))のとおり、昨年12月に与党から令和2年度税制改正大綱が公表されました。
今回は改正項目の中から、居住用賃貸建物(アパート・マンション)の取得に係る消費税の仕入税額控除制度の見直しについてお伝えします。
制度見直しの背景・概要
居住用賃貸建物を取得した場合の仕入消費税額は、住宅の家賃収入(非課税売上)に対応するため、本来税額控除を受けることができませんが、金地金の売買(課税売上)を繰り返し、
意図的に課税売上割合を高めるスキームで、消費税の還付を受けるケースが見受けられます。
このスキームを防ぐために、居住用賃貸建物の仕入税額控除の見直しが行われました。
制度見直しの内容
居住用賃貸建物の取得に係る消費税の仕入税額控除について、次の見直しを行うこととなりました。
(1) 1,000万円以上の高額特定資産に該当する居住用賃貸建物については、仕入税額控除の適用が認められません。ただし、住宅の貸付け用としないことが明らかな部分(販売用に取得した居住用賃貸建物など)については、引き続き仕入税額控除の対象となります。
(2) 上記(1)により仕入税額控除の適用を認めないこととされた居住用賃貸建物について、仕入課税期間の初日から3年以内に住宅の貸付け以外(事業用など)の貸付け又は譲渡を行った場合は、当該課税期間の仕入税額控除において加算して調整します。
適用時期
令和2年10月1日以後の居住用賃貸建物の取得から適用となります。
ただし同年3月31日までに締結した契約に基づき同年10月1日以後に居住用賃貸建物を取得した場合は適用しません。
なお、今後の国会の審議次第では変更になる場合もありますので、ご留意ください。
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