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『空き家』について考える

投稿日2026.04.08

日本では空き家が年々増え続けています。2023年の住宅・土地統計調査では、全国に約900万戸もの空き家があり、全住宅の約14%を占めています。 

特に問題になっているのが、売る予定も貸す予定もないまま放置されている空き家です。こうした空き家は、建物が傷んで倒壊の危険が出たり、防犯・衛生面で近隣地域に悪影響を与えたりします。 

空き家が増える大きな理由は「相続」です。親が亡くなって家を相続したものの、「住む予定がない」、「どう扱えばいいかわからない」などといった理由で、そのまま放置されてしまうケースが多くあります。 今回は空き家について、その対策を中心にお伝えします。

空き家増加を抑制する新ルール

2024年4月から、相続登記が義務化されました。相続による所有権移転を知った日から3年以内に登記申請を行う必要があり、怠ると過料の対象となります。
この目的は、空き家問題の大きな障害となってきた「所有者不明土地」の増加を抑えることにあり、所有者の特定が容易になることで、売買や賃貸を円滑に行うことができるようになります。

空き家を活かしていくために

・空き家バンク

空き家バンクは、自治体が運営する空き家の紹介制度です。空き家を持っている人と、住みたい・使いたい人をつなぎます。
自治体によっては、リフォーム費用の補助や移住者向けの支援金などとセットになっていることもあり、築古で処分に困っていた家であっても、再び活用される例が増えています。

・マイホーム借上げ制度

耐震・経年劣化等の条件を満たせば、住宅をJTI(移住・住みかえ支援機構)が借り上げ、入居者がいない期間でも一定の家賃収入が保証されます。
高齢者の住み替えや長期不在時に空き家化を防ぎ、売らずに活用するのも選択肢の一つです。

・国土交通省「空き家対策特設サイト」

空き家の基礎知識、家族での話し合いの重要性、管理・活用のポイントなどをまとめた情報サイトです。

特に「住まいのエンディングノート」は、今その家に住まう人が元気なうちに、思い出が沢山つまった家の未来を考えるためのチェックシートとして役立ちます。

空き家の活用のすすめ

空き家は適切な改修や、上記で紹介した諸制度活用によって、新しい価値を生み出せる可能性に富んでいます。

・賃貸、売却による流通

空き家バンクや民間仲介を通じて、移住者・子育て世帯・事業者など多様な需要に対応できます。
地方では、店舗・シェアオフィス・コミュニティスペースとしての活用も増えています。

・リノベーションによる再生

古民家再生や地域の観光資源化など、自治体の補助金と組み合わせることで費用負担を抑えながら活用することができます。

横須賀不動産鑑定事務所では、大阪府泉佐野市にある古民家をリノベーションして活用する事業も行っています。今ある建物を取り壊してから、真新しい建物に建て替えるだけが唯一の選択肢ではなく、日本建築ならではの古民家の外観美等をそのまま活かしつつ、住み継ぐために必要な修繕のみを行うことも一つの選択肢です。

知っておきたい税金のポイント

・管理しないと税金が上がることも

空き家を放置し、危険な状態になると「特定空家等」に指定されることがあります。指定されると固定資産税の住宅用地特例による軽減措置が受けられなくなり、税金が大幅に上がる可能性があります。きちんと管理すること自体が、節税につながります。

・相続空き家の3,000万円特別控除

相続により取得した空き家を一定の要件のもとで売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。この制度により、相続後に空き家を処分する際の税負担が大きく軽減されます。
 
空き家問題は、決して特別な問題ではありません。今、この記事を読んでいただいている方やその周辺の方にとって、身近で将来関わる可能性が高い問題です。
家を所有し、そこに住む人とその関係者とで元気なうちに意思疎通をとり、自分たちと一緒に年を重ねた住宅について考える機会を是非作ってみてください。 

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