令和8年度税制改正:攻めの経営を支える「3つの優遇措置」
令和8年度の税制改正大綱が発表されました。
今回の改正は、物価高騰や人手不足に直面する中小企業への「投資支援」が鮮明になっています。特に、長らく据え置かれていた少額資産の判定基準が引き上げられるなど、実務に直結する変更が盛り込まれました。経営計画や設備投資のタイミングを判断する上で、見逃せない3つのポイントを解説します。
目次
少額減価償却資産の特例:判定基準が「40万円未満」に緩和
中小企業の節税対策として最も活用されている「30万円未満の資産の即a時償却特例」が、ついに拡充されます。昨今の物価上昇を踏まえ、対象となる取得価額が「40万円未満」へと引き上げられました。
これにより、これまでは耐用年数に応じて数年かけて費用化していた40万円弱のPC、サーバー、店舗什器などが、購入した事業年度に一括で損金算入できるようになります。キャッシュフローの早期改善につながるだけでなく、固定資産管理の事務負担を大幅に軽減できる実務的なメリットも大きい改正です。
「特定生産性向上設備等投資促進税制」の創設と柔軟な運用
生産性向上に資する機械装置やソフトウェア等の取得を支援する、新たな投資促進税制がスタートします。取得価額の「全額即時償却」または「最大7%の税額控除」を選択できる仕組みです。
特筆すべきは、税額控除を選んだ際の「繰越制度」の導入です。これまでは、その事業年度に十分な利益が出ていないと控除枠を使い切れない欠点がありましたが、今後は未消化分を3年間繰り越せるようになります。投資のタイミングと利益の波が一致しなくても、中長期的に確実な減税メリットを享受できるため、より戦略的な設備投資が可能になります。
研究開発税制の強化:未消化枠の3年間繰越しが可能に
企業の競争力を左右する「研究開発税制(試験研究費の税額控除)」についても、制度の使い勝手が大きく向上します。控除率の計算式が見直されるとともに、こちらも投資促進税制と同様に「控除限度超過額の3年間繰越し」が認められることとなりました。
研究開発には多額の先行投資が伴い、投資初期は赤字や低利益になりがちですが、この繰越制度により、将来利益が出た際の法人税を抑えることができます。スタートアップから老舗企業まで、新技術や新サービスへの挑戦を税制面で長く支える、攻めの経営を後押しする内容となっています。
適用時期:令和8年4月1日以後の取得・事業年度から
今回の改正内容は、原則として令和8年(2026年)4月1日以後に取得する資産や、同日以後に開始する事業年度から適用される見通しです。
現在は「税制改正大綱」が公表された段階であり、今後3月末までの国会審議を経て正式に法律として成立する運びとなります。実際の設備導入にあたっては、施行時期によって旧ルール(30万円基準など)が適用されるか、新ルールが適用されるかの境界線に注意が必要です。具体的な投資計画をお持ちの場合は、お早めに当法人までご相談ください。
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